トランプ大統領の出現によって世界が大きく変わる。自由主義から保護主義へ。世界はグローバルから反グローバルへ。リベラルから保守へ。移民・難民は行き場を失い、新興国経済は停滞し、世界経済は再編を余儀なくされるだろう。アメリカ第一主義は日本の安全保障にも大きな影響を及ぼす。沖縄の基地問題は?尖閣防衛は?北朝鮮の脅威は?

 

トランプ大統領誕生の意味を正確に理解している人が、

日本の中にどれくらいいるでしょうか?

 

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「なんか傲岸不遜なオッサンが大統領になったな!」

「トランポノミクスで経済良くなるかもよ?」

 

くらいの認識の日本人が多いのではないでしょうか?

 

ごくごく簡単に言えば、

トランプ大統領の主張はこの一点です。

 

『アメリカ第一主義』

 

非常に分かりやすいですねー。

アメリカさえ良ければいい!って考えです。

 

細かいことを言えば・・・

 

・アメリカ産業とアメリカ人の雇用を守る

・不法移民排斥(1000万人いると言われている)

・保護貿易主義(TPP脱退)

・ドル安歓迎

・ISはぶっ潰す

・世界の警察はもうヤメル!

・同盟国は・・・?

 

という感じです。外交的には「親イスラエル」「親ロシア」と言われています。中国に対してどういうスタンスなのかは謎ですが・・・ちょっと心配です。

 

つまり、

 

「世界の警察アメリカ」は終わり。

「自由貿易」「グローバル時代」は終わり。

今後アメリカはアメリカの利益のみを考え行動する!

 

ということです。

 

何故そうなったかというと・・・・こういうわけ。

 

・カネがない!

・仕事がない!

・テロ怖い!

 

グローバル化が進んだせいで、アメリカの企業は世界中に散らばりました。そして、多くの工場が中国を初めとする賃金が安い新興国に建てられました。また、大企業の多くが法人税の安いタックスヘイブンに逃げ出すようになりました。アップルが合法的に多額の法人税を免れているのは有名な話ですね。

 

その結果多くの利益を得たのはスーパーリッチな高所得者層。労働者階級の人たちは仕事を失くし・・・賃金の安い仕事を移民と奪い合うようになって行ったわけです。→アメリカの「スーパーリッチ」が世界の所得格差を拡大させる 0.1%の最富裕層が世界の富を独占

 

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このグラフは衝撃的ですね。一番右がアメリカ合衆国ですが・・・TOP1%が収入の伸びのおよそ47%を占めています。TOP10%に拡大すると80%超です。つまり・・・

 

富の20%を90%の人たちで奪い合っている!

 

・・・それがアメリカの現状なのです。

 

で、労働者の不満は「不法移民」や「グローバル政策」に向けられたわけ。

 

「移民のせいで仕事がないのだ!」

「グローバル政策のせいで貧しくなったのだ!」

 

これは欧州でも全く同じような事態に陥っていまして、ドイツ以外はどの国も・・・財政逼迫、経済停滞、失業率の低下に悩んでおり、移民・難民問題は欧州全土に広がっています。

 

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これまで、

世界経済は成長し続けてきました。

 

自由貿易、グローバル化が叫ばれ、

経済において国境は失くなったかのようでした。

 

だけんどもしかし・・・

その世界経済の成長が止まったのだとしたら?

 

これからは・・・

国境を閉じ、自分の国だけ良ければいい!

という時代に変わって行くのだとしたら?

 

トランプ氏は、

今まさにその節目に誕生した大統領だと思うのです。

 

これはアメリカだけの話ではなく、

欧州でも同じようなことが起こっていくでしょう。

イギリスのEU離脱がその先頭バッターでした。

 

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時代の変わり目・・・となれば、

 

大きいのは経済だけではなく、

安全保障も大きい問題です。

 

アメリカが、

アジアに興味を失ったらどうなるのでしょう?

 

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・沖縄の基地問題は?

・尖閣諸島の防衛は?

・北朝鮮の脅威は?

・南シナ海の覇権争いは?

・シーレーンの確保は?

 

事実・・・シェール革命でエネルギーの心配をする必要が失くなったアメリカは、中央アジアへの興味を劇的に失くしました(イラクから撤退。イラン核合意)。

 

アジアのリバランス政策を唱えたのはオバマ大統領。

果たしてトランプ氏は・・・?

 

現在の世界において、良かれ悪かれアメリカの影響力は絶大です。

そのアメリカの力がドンドン衰えている・・・

そんな時にトランプ氏が現れ、熱狂的に支持されました。

 

おそらく、この流れはもう止まりません。

 

トランプ大統領の出現が、

日本人の目を覚ますキッカケになればいいなと願っています。

 

憲法改正の議論が進みますように。